私はかねてから,今日のように空手が「力のみ」「強さのみ」を誇示し、これを第一主義とする風潮に大いに心を痛めてきました。
現代の空手は,あまりにも競技化されゲーム化され,商業化されすぎています。
私は,将来の日本の空手道に不安の感を強めているひとりです。
日本人が東洋の「心」,武の「心」をないがしろにしているうちに、外国では空手に真剣に取り組もうとする人々がたくさん出てきております。
誠道塾空手では,子供から大人まで、特に熟年を過ぎた六十歳以上の男性女性が数多く稽古を続けております。
これはなぜかというと,誠道空手が彼等の生活の中に溶け込んでいるからであり、これこそが私が長い間理想としてきた空手の姿なのです。
空手は大会に勝つためのものでも、強者をいっそう強者にするためのものでもなく、
もっと大局的に人の道を教え,空手を学ぶ者が少しでも大きく人間形成し、それぞれが社会に立派に寄与貢献できるようにするためのものなのです。
力より技,技よりも心
誠は天の道なり,これを誠にするは人の道なり
“世界誠道空手道連盟会長 中村忠 著「人間空手」より”
この3つの言葉があることで、自分本位な考え方や感情から脱却し、自我のコントロールができるようになり、武道としての空手の本質を追求することができるようになります。
自分が強くなれたのは周囲の人、教えてくれる先生、仲間、そして後輩たちの協力があったからであり、そういった方々への感謝の気持ちこそが自分の成長や強さに繋がります。『私たちは、実に多くの人たちに助けられながら生きている』ということを空手を通して学びます。
空手の稽古をすることによって、自我をコントロールし、視野を広げ、どんな苦境・逆境の中にいても自分を卑下することも悲観することもなく、逆にどんなに恵まれた環境にいても傲慢になることなく、自分を育ててくれた人々や社会に感謝をし、豊かに人生を送ることできます。空手とはまさに人生の肥やしとなるものなのです。
稽古中や時間帯によっては、電話に出れないことがございます。
○活動写真はインスタグラムから○